secret days
「迷うなよ」
「迷いません!」
うわっ
何あれ、映画室?
映画館みたいなとこかな?
やっぱり広いのかなぁ…
すごい気になる。
「あの、響…って、あれ?」
…いない。
さっきまで前を歩いていた響が、いない。
「嘘…わたし、迷った…?」
振り返れば、廊下に繋がる部屋も、曲り道も多い。
わたし、普通科の制服だし、ここにいるだけで十分怪しいのに。
でも、どうしよう…!
「…迷ったら、そこから動かないのが一番だよね。
うん、そうしよう」
なんて言ってたら、後ろから肩を叩かれた。
「響ー…」
「君、どうしたの?」
…じゃない。
「え、響?
もしかして、響の追っかけ?」
「あ、いや…そうじゃなくて」
この人、制服を着てない。
アイドル科の人?
先生…じゃないよね?
普通に若いし、髪なんて金髪ロン毛だし…