secret days
「レオ」
「ごめんごめんって。
ほんとに響の知り合いだったんだね~」
レオ、と呼ばれたその人は、響が怒ってても全然気にしてない様子だった。
「柚留チャンって言うんだね。
うん、名前もかわいい」
「あの…」
「柚留、相手にしなくていい。
帰るぞ」
「はい」
「つーか、次は絶対迷うなよ?!
レオにまで捕まって…ほんとめんどくさい」
「…分かってます」
反省。
やっぱり知らない人について行ってはいけないね。
うん。
来た道を戻り、少し行ったところに昇降口はあった。
ここ、普通科とは正反対の位置かも。
アイドル科の人と滅多に会わないのは、そういうことだったんだ。
「あ、わたし靴普通科の…って、あれ、何で?」
「ユキがさっき持ってきた」
響が手に持っていたビニール袋をわたしに渡した。
透けて中身が見えていたけど、やっぱりわたしの靴だ。
「“悪かった”って、ユキが」
「…わたしこそ」
「まぁ、あいつもいろいろあったから、分かってやれ」
「うん」
明日、謝ろう。