secret days
「あっそ、分かった」
そう言ってドアに向かっていく桐生 響。
てっきりもっと脅してくるかと思った。
意外と聞き分けあるのかも。
「…あ、1つ言い忘れた。
マネージャーの話は普通科は知らないことになってるから」
「誰にも言いませんよ」
「知った時点で普通科退学だから」
「は?!」
「じゃーな、お元気で」
わたしに背を向けて右手をひらひらさせながら図書室を出て行く。
絶対、今、あの人笑ってる…!
「ちょっと!
どういうことですか、それ!」
「……………」
無視、ね。
なんて性悪男…!
「ず、ずるいですよ!」
「何が」
「た、退学って…!」
「…あぁ、普通は喜んでマネージャーになるからな。
マネージャーになったら普通科からアイドル科に編入するルールなんだよ」
「だからって」
「まぁ、ここのアイドル科は特別だからな」