secret days



“どうしたの、柚留。
ふふふ、寮が寂しくなっちゃった?”

「お母さん、あのね」



今日あったことを話すと、お母さんは電話先で笑っていた。



「笑いごとじゃないよ…
こっちは真剣なんだから」

“そうねぇ。
柚留、少しだけお母さんとお父さんの出逢った話聞いてくれる?”

「うん」



今まで何度も聞いてきた話がまた聞かされるんだろうと思った。



“お母さんね、実はマネージャーだったのよ”

「え、そんなこと…」

“言ってないわよ。
柚留が普通科に入るかもしれないのに。
わたしにだって守秘義務があるもの”

「じゃあ、お母さんとお父さんが出逢ったのって…」

“ふふ、そういうことね”



知らなかった…

お母さんがお父さんのマネージャーだったなんて。


だからって、わたしは…



「お母さん、わたしは絶対にありえないと思うよ。
見た目が良いだけで調子乗るような人だもん。
あんな人好きになるわけない」

“まぁまぁ。
試しにやってみたら良いじゃない?
きっと選択権はないんでしょ?”

「…うん」

“無理だったら戻ってくればいいわよ。
こっちで編入だってできるんだし”



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