愛されオーラに包まれて
表4に入るクライアントの広告データが出来、バーコードを貼り付けて完成させ、営業局…つまり俺のチェックを終えて校了する直前に、そのクライアントからキャンセルが入ったため急遽別のクライアントの広告を掲載することになった。

そのデータを差し替える時に、9月号のクライアントと同じ内容だった広告を、9月号のバーコードを含めて越後は差し替えてしまったということらしいのだ。

俺の読みが当たってしまったのか。

『申し訳ありません』

越後は神妙な顔で頭を下げる。

『でも、おかしいですね。差し替えた後、何故もう一度営業局のチェックを受けなかったのかな?』

社長が最もな質問が来た。

そう。
差し替えた後に俺のところを通過していない。

『校了まで時間がなかったのです。夜も遅かったですし』

広告二部長が説明する。

『時間がなければチェックなくても校了できる体制は有り得ません。再びこのようなことが発生してしまいます。営業局のチェックは絶対です。これはお守りください。あと、越後さん?注意力を身につけてください、以上』
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