愛されオーラに包まれて
社長は会議室を出た。

すると、成瀬川局長が広告二部長と越後、遠藤部長と俺に、

『もう少し聞きたいことがある。場所を変えて僕に時間をください』

と言い、場所を営業局隣の会議室に移して成瀬川局長主導の調査委員会は続行されることになった。

会議室に入ると、金澤と遥香にも会議室に入るように局長は促した。

会議室にいるのは計7人。

『では、調査委員会では飛ばされた、営業局の状況について話をしてもらう』

調査委員会は、広告局のヒューマンエラーの話に終始をして、確かに営業局の当日の状況は茅の外だった。

『まず、第一報を受けたのは、金澤だな。その時の状況を説明してくれ』

『はい。私は部数交渉のために首都出版販売の書籍仕入部にいました。交渉が終わって、先方の担当者と挨拶をした直後に、雑誌担当の方に声を掛けられ、今回の事態を知ったのです』

玲奈さんは淡々と説明する。

『私はすぐに電話をして、最初に出たのが高松さんでした。桐生くんは体調不良で休みだし、遠藤部長は会議中で不在。運良く局長が戻ってきたことで、何とか指示系統が保てたんだと思います』

遥香にも局長が質問をし、遠藤部長との会議中のやりとりを詳細に話した。

『遠藤部長、あなたは部長としての自覚に欠けますね』

局長ははっきり言う。
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