愛されオーラに包まれて
『これ、ホワイトゴールドだよ』
「ホワイトゴールドかぁ」

石のないシンプルなデザインだけど、裏の刻印が目に付いた。

"One Love. "

「唯一の、愛?」
『そう。でもその指輪、デザインは地味でも仕事中にするのは難しいだろ?誰に貰ったの?とか突っ込まれそうだから、これも用意したよ』

と、渡されたのは、チェーン。

『これを指輪に通して、首からかけていて欲しい。できれば、肌が弱くなければ風呂に入る時もずっと。このチェーンもホワイトゴールドで指輪もこれも18金で変色もしないから』

すると、泰河は自分の首の付近に手を入れて、私にあげた指輪と全く同じものを出してきた。

『俺も、同じのをしてるから』
「いつの間にしてたの?」
『今朝からずっとしてたよ』

今朝って・・・お互い裸だったんだけど・・・
そういうところ、用意周到、抜かりがない。

泰河は私から指輪と取り上げると、一旦右手の薬指にそれを嵌めた。

『まずは、この指にしてもらうための指輪。左手は、もう少し待ってね』

そして、私からすぐ指輪を外してチェーンに通し、今度は私の首にかけてくれた。
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