愛されオーラに包まれて
左手の薬指って・・・

「左手の薬指って、それは泰河が予約したってこと?」
『当たり前じゃない。でも今は慌てずに行こうよ。お互い、まだ社会人としては半人前なんだし、それにこれから俺には、試練が待っている』
「試練?」

何かあったのだろうか?

『来年の3月7日に創刊誌があるだろ?』
「あ、【B-Femme】(ビーファム)のこと?」

そう。

うちの会社の社運を懸けたと言っても過言ではない、働く女性向けのメイク雑誌【B-Femme】(ビーファム)が月刊誌として創刊する。

元々、増刊として何回かテスト発売をして、満を持しての創刊。

『その販売担当が、俺になった』
「すごいじゃん!頑張らなきゃ!」
『だから、年明けしてからしばらくは、遥香とゆっくり会えないのかな』

確かに、創刊誌を持つとやること多くて仕事が毎日午前様になることがザラだと聞いたことがある。

けど・・・
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