愛されオーラに包まれて
『鍵、開いてるのかな?』
遥香が独り言のように言いながら、ドアを引く。
開いていた。
『ただいま~』
「こんにちは」
すると、玄関に現れたのは、恰幅のいい、色黒で白髪交じりの男性。
『おお、待ってたよ、遥香』
『泰河、私の父です』
「初めまして。あけましておめでとうございます。桐生泰河と申します」
一見、三白眼で怖そうに見えたが、口角を上げて笑顔を見せると、柔和な表情に変わった。
『遥香の父の高松清明(タカマツキヨアキ)と申します。遠いところをありがとう。さぁ、上がって』
「おじゃまします」
お父さんは、遥香にはあまに似ていない印象だった。
俺には緊張の時間が始まった。
「先に、お母さんの仏壇に手を合わせてもいいか?」
『うん。こっちだよ』
ろうそくに火をつけ、線香を焚いて、鈴(りん)を鳴らす。
手を合わせ終えると、遥香が口を開いた。
『私、お母さんの記憶がほとんどないんだけど、お母さんが作ったハンバーグが大好きでね。味を真似しようとしているんだけど、未だに同じ味を再現できないの』
遥香はその右隣に座る俺を見た。
遥香が独り言のように言いながら、ドアを引く。
開いていた。
『ただいま~』
「こんにちは」
すると、玄関に現れたのは、恰幅のいい、色黒で白髪交じりの男性。
『おお、待ってたよ、遥香』
『泰河、私の父です』
「初めまして。あけましておめでとうございます。桐生泰河と申します」
一見、三白眼で怖そうに見えたが、口角を上げて笑顔を見せると、柔和な表情に変わった。
『遥香の父の高松清明(タカマツキヨアキ)と申します。遠いところをありがとう。さぁ、上がって』
「おじゃまします」
お父さんは、遥香にはあまに似ていない印象だった。
俺には緊張の時間が始まった。
「先に、お母さんの仏壇に手を合わせてもいいか?」
『うん。こっちだよ』
ろうそくに火をつけ、線香を焚いて、鈴(りん)を鳴らす。
手を合わせ終えると、遥香が口を開いた。
『私、お母さんの記憶がほとんどないんだけど、お母さんが作ったハンバーグが大好きでね。味を真似しようとしているんだけど、未だに同じ味を再現できないの』
遥香はその右隣に座る俺を見た。