愛されオーラに包まれて
黒髪のストレートで、お父さんとは明らかに年齢差がある。

『お、来たな。遅かったじゃないか。長いご挨拶だったな。紹介する』

と、その女性はキッチンを出て、リビングで立ち尽くす俺達の前に立った。

『初めまして、二瓶可南子(ニヘイカナコ)です』

すると、遥香が何かを考えている様子だった。そして・・・

『あの、どこかでお会いしませんでした?相当前ですけど』
『はい、このお家で、他の同級生と一緒に』
「同級生?」

俺はその言葉に反応してしまった。

遥香の父親は高校教師。

と、言うことは・・・

『私は、高松先生の教え子でした』

と、俺でも分かるように教えてくれた。

「僕は、桐生泰河と申します」

お父さんとはどういう関係かは分からないけど、とりあえず会う人には挨拶しておかないと、いつ人となりを知らないお父さんの気分を害するか分からないから。

『私が作りましたので、お口に合うか分かりませんが、食べてみてもらえませんか?』

昼にしては、高カロリー。

少食の遥香には、間違いなく無理な量だ。
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