愛されオーラに包まれて
起こってしまったことは仕方ない。

でも、まだ創刊準備は続く。

だから同じことがまた起こるとも限らない。

「ねぇ、石井くん。その雑誌の発売日の調整とかを打ち合わせている最新の資料って、持ってる?」
『うん。毎月うちで一覧表作って販売会社に提出してるけど』
「ちょっと、それ貸して。コピー取るから」
『高松には関係なくね?』
「桐生さんが担当するムックは企画を通す会議に私もいることがほとんどだから、全く無関係なわけではないの。いいから、貸して!」

石井くんから資料を奪ってコピーを取る。
泰河や竹内部長が戻ってくるまでに、何とか終わらせないと。

でも、実際資料を見ると、私には分からないことだらけ。

「ねぇ、このA型とかB型とか血液型みたいなのは、何?」
『あぁ、それは搬入形態を表していてね、でもムックは"全線"だから』
「ゼン、セン?」

うーん、もっと勉強が必要みたいだ。

とりあえず、私に出来るのは、いつまでにこれをやらなければならない、というスケジュール管理。

創刊準備で泰河の頭の中がメチャメチャになっているんだ。
だから、せめて泰河がやるべき創刊準備以外のスケジュールを私も把握しよう。
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