愛されオーラに包まれて
今日、竹内部長に怒られて、ショックを受けてなきゃいいんだけど。

だから私は泰河に、

―"今日、家で待ってるから。でも気にしないで納得行くまで仕事してから退社してね"―

とメールを送り、泰河の家でごはんを作り終えたところで、泰河が帰ってきた。

『ただいま』
「お帰りなさい」
『すごい、いい香りがする』
「しょうが焼きの匂いだよ」

スーツを脱ぎながらの会話。

「今日は早かったね」
『うん。局長が"今日はもう帰れ"って、強制送還』
「そうだよ。たまには早く帰ってリフレッシュしなきゃ」

私は泰河が脱いでいく衣服を拾い上げる。

『いいよ、そこまでしなくても』
「いいの。私がしてあげたいんだから。親切とかじゃないから」

"先にお風呂に入りなさい"と、私は泰河を送り出した。

そろそろ洗濯物も溜まってきたなぁ。
明日の朝洗濯機回そうか。

そんなことを考えて、夕飯の盛り付けをしていたら、何だか私達は夫婦みたいな生活を送っているなぁ。

ちょっとひとりで気恥ずかしくなった。

そんな"夫婦ごっこ"をやっている場合ではない。
今は泰河のピンチなんだ。
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