愛されオーラに包まれて
「恐らく、一生満たされることはないよ。ずーっとね。いくら愛の言葉を囁きあっても、俺は今、遥香の泣き顔や声でさえ、欲情しているんだから、どうしようもない」

お互いに…ずーっと飽きずに愛し合おう。
そんな心が伴った男女の営みは、極上のものだ。

朝は余裕があったので、遥香がきっちり朝ごはんを用意してくれた。
いつもは時間がなくて食べないことの方が多いから…

テレビの音をBGMに、ごはんを頬張る俺に遥香が突然、

『部決会議、【Girl's Leaf】の』

と、言うもんだから、俺は驚いた。

「何だよ、突然」

部決会議とは、部数決定会議の略。

『来週火曜日にあるよ。会議室は押さえてあるとして、日時のお知らせは関係各署にした?』

会議自体は月間の予定に組み込むので営業局内の局長や部長のスケジュールは大丈夫だけど、編集部に日時を知らせるのが慣例になっている。

「あ、やってない」
『【きらきら】の販売会社の各倉庫に入れる部数の内訳は確認した?これは今日中みたいだね』

「やります…にしても、お前、よく分かってるな」
『泰河の役に立てればと思って直近のスケジュールを覚えたの。あとは今日中に【B-Femme】創刊までのそれ以外の泰河のお仕事スケジュールをインプットする予定』
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