愛されオーラに包まれて

2月に入ると、遥香が新入社員研修に参加するため、午後だけだが2週間、仕事を抜けていたので、かなり彼女もキツくなっていたようだ。

それでも創刊までの間は、遥香から俺の家で言われたり、細かなメールが届くことにより、仕事を失念してしまうことはなかった。

そして、創刊直前。

発売日当日は15の書店でデモンストレーション販売、つまりデモ販を行うことになっていた。

その担当の振り分け。
促進局と営業局でシェアをする。

1つの書店で各局ひとりずつをペアとして振り分けた。

促進局の社員はそれぞれの書店担当があるのでそれに準じて配置。

営業局はそのバランスで決める。

遥香は絶対にわかば堂書店本店をやらせようと決めていた。

神戸さんのこともあるから…
でもなぁ、わかば堂書店だと、もれなく花村が一緒なんだよなぁ。

仕方ないけど、組ませるか。
でも俺は、花村に釘を刺すのを忘れなかった。

―"遥香は、俺のものだから"―

って。