愛されオーラに包まれて
記憶が蘇っては、途絶える…

居酒屋の次の記憶は、誰かにおんぶされて、ソファーに下ろされた時の衝撃。

次の記憶は…ん?夢?

体の奥が熱い。
誰かが私の"女"の部分に快楽を与えてくれている。

どうしよう、気持ち…いい。

でも、誰?
私にこんなことして、

そして、

『ごめんな、遥香』

と、掠れた声で私の耳元で囁く男。
そして、夢の中の住人か現実なのか、とにかく私は昇天し、再び記憶が途切れた。

朝日が、眩しい。
カーテンの隙間から、私の顔に差し込む。

このカーテン、見覚えがない。
何より、隣で寝ている男。

え?

えっと…どう見たって、桐生さん。

だって、桐生さんは左目の下にほくろがあるのが特徴なので、間違いない。

さらにヤバいのは、そう。

私の格好。
何も、着ていない。
自分が今置かれている状況が、大分見えてきた。

「キャー!」

私は飛び起きた。

私の行動に、桐生さんも飛び起きた。

『おい、どうした?』

起き抜けで、まだ声が本調子ではない桐生さん。

「どうしたもこうしたもないですよ。何ですか?これ」
『これって、見ての通りだけど…やっぱりお前、覚えてなかったか』

"参ったな"と頭を掻く桐生さん。

「覚えてないって…イテっ!」

私は激しい頭痛を覚えた。
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