愛されオーラに包まれて
『こーら、今考え事してただろ?だからダメなの、俺がいないと』

そう言って泰河は自分の服を脱いだ。

躊躇なく、全部。

そりゃ、少しは見慣れたよ。
でも、少しは遠慮してよ。

「ちょっと、泰河?」
『汗かいて、そのまま乾いた体、早く洗い流そうよ。お前も早く脱げ』

泰河はそう急かすから、仕方なく…

いや、私も早くシャワーを浴びたかったから、入るのよ。
でもね、展開が大体読めてるの。
一緒に入って、何にもなく無事に出てくることなんて、有り得ないでしょ。

ほらね…

"声を我慢しろ"と言われたこと以外は、泰河の家で過ごす時とほぼ一緒のパターンじゃない。

至れり尽くせり

"コト"が終わってから私の体の隅々まで、スポンジで洗ってくれるのも、いつものこと。

『男子学生』
「ん?」

泰河が私を洗いながら言う。

『お前のこと、ずっと見てた。隣のコートから』

はい?
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