愛されオーラに包まれて
『お前、飲み過ぎなんだよ。二日酔いで頭痛いんだろ。ちょっと待ってろ』

と言うと、桐生さんはベッドから出た。

桐生さん、服を着ていなかった。

「キャー!」
『もう、キャーキャーうるさいなぁ。そんなに男の体に免疫なさそうには見えないのに、人を痴漢みたいに扱うなよ』

桐生さんはそう私に話しながら服を着た。

リビングとの仕切りはカーテン。
この部屋、ひろーいワンルームなんだね。

当然、桐生さんの家なんだろうけど…
そのカーテンを桐生さんが開け、リビング側に出ると、再びそのカーテンを閉めた。

『俺がここにいる間に服着ておけよ』

あ、しまった。
私、裸じゃん。

正気に戻った今、かなり恥ずかしい。

急いで服を着ようとするも、頭痛が増してしまい動きが緩慢になる。
それでも気力で服を着た。

『高松、こっちに出られるか』
「あ、はい」

仕切りのカーテンを開けると、ひろーいLDKだった。

左にソファーとローテーブルとテレビがあるリビング。
右にはダイニングテーブル。奥はカウンターキッチン。

『シャワー使え。それと、メイクしっかり落としてこい』

私、メイク落としなんて持ってないし…

『洗面所にあるから、クレンジング』

え、あるの?

こうして、私は素っぴんですっかり休日モードの姿になった。
< 19 / 345 >

この作品をシェア

pagetop