愛されオーラに包まれて
『誇らせてよ』
『え?』

高松が見つめる強い視線に気づいて彼女を見た神戸さん。

『自慢させてよ!』

語気がさらに強くなった高松。

『遥香?』
『私は皆さんが頼っている神戸由依さんの高校の同級生なんです!って、言わせてよ。つまんないよ、そんなコンプレックス。由依は、私には雲の上の人なんだよ。まだまだ私はペーペーでもがいているっていうのに、そんなくだらない感情複合、捨てちゃいなよ!』

高松の勢いに、閉口してしまった神戸さん。

すると、後ろから声がした。

『経験は宝物』

玲奈だ。

『全国に書店員は沢山いるけど、やっぱり向き不向きはあるみたいで、接客の出来る人できない人、陳列や宣伝物の飾り方のアイデアが浮かぶ人浮かばない人、いろいろあるの。でも神戸さんはね、接客ではわかば堂書店全国コンクールでナンバー1になり、アイデアの宝庫。遥香ちゃんも、ここにいるメンバーはみんな、そこまでお客様相手の仕事ってしないから、多分特に遥香ちゃんはずっと、神戸さんの背中を追いかけて仕事することになると思う』
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