愛されオーラに包まれて
『送っていくよ』
「そんな…最寄り駅までの道のりを教えて貰えれば十分です」
『人の親切には乗っかっておくべきだと思うけど?』
「人にあんなことしておいて、よくそんなことが言えますね」

玄関で口論になる私達。

すると、桐生さんは、私の体を壁に押し付け

『ムカつくな、お前』

と言うと、私の唇に自分の唇を押し当ててきた。

「んっ…」

私の口を自分の舌で開き、強引に深いものにする。
抵抗したくても、力負け。

そのうち、諦めた私は、桐生さんに身を任せるようになっていた。

この人、慣れてる?
そして、凄く気持ちいいキスをしてくる。

どうしよう、クセになっちゃう。

人生で一番長いキスをしているかも、と思った時、桐生さんの唇が離れた。

私は、あまりのキスの衝撃に、力が抜けてその場に座り込んでしまった。

『素直に送らせろ、バカ』
「バカって…どうして、こんなことするの?」
『行くぞ』

桐生さんは私に手を差し出して、立ち上がらせるものの、私の問いかけには答えてくれなかった。
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