愛されオーラに包まれて
局長は、自ら買ってでて、列の最後尾でお客様のご案内。

高松は控室で待機。

"寺尾さん、入ります"

日下部長の声が俺達の無線で伝わる。

"6F控室、準備OKです"

遥香の声。

程なく、

"控室、寺尾さん入られました"

とりあえず、ホッとした俺。
すると、目の前にお客様が。

『あの、トークショーの整理券はまだ残っていますか?』

40代くらいの女性だ。

「申し訳ございません。本日のトークショーの整理券につきましては予定枚数の配布を終了いたしております。よろしければ手に取っていただいて、このレシピの読みやすさをお確かめください」

出来るだけ、買ってもらいたいから、丁寧に対応する。

俺は【B-Femme】のデモ販には参加していないので、お客様相手の営業は久しぶりだ。

午後1時30分。

"定刻になりました。ホールを開場しますので、各持ち場の方、対応をよろしくお願いします"

神戸さんの声。

そして午後2時、トークショー開催の時刻だ。

"トークショー、本番始まります。1Fのスタッフの方、お疲れ様でした。6Fにお上がりください"

これも神戸さんの声。

俺と花村は6Fに上がる。
既にトークショーはスタートしている。
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