愛されオーラに包まれて
金曜日。
今日は新入社員の歓迎会。

この日を迎えたということは、遥香との"あのこと"から1年が経過するんだとちょっと感慨深くなる。

夜7時。
歓迎会の始まり。

あらかじめ前日に遥香にはいつものことながら"飲みすぎるな"とは注意しておいた。
遥香は同期の一部の大熊と二部の石井と一緒にいる。

この部署は女性が少ないから、男性に囲まれるのはごく自然なことだ。

俺は一部の飯嶋さんと一緒にいる。

遥香を見ていると、同期の2人が離れ、1人になった。
そこを狙っていたかのようにやってきたのが、要注意人物の蒲田だ。

月並みの挨拶をしたのだろう。
遥香が笑顔で返している。

そんな男にそんな顔見せるんじゃねーよ。

しばらく会話を交わしているように見えた。
が、そこに入ってきたのが、局長。

さすがに局長を無視することができず、蒲田も局長と話し出したところで、遥香がその場を離れた。

局長、分かっているのだろうか。
そんな俺のところには、新入社員の清水が来た。

『あの、五部の清水葉月(シミズハヅキ)です。桐生さん、よろしくお願いします』
「お、よく俺の名前が分かったね」
『営業局に来て知らない先輩の中で一番最初に覚えました』

ほう。

何かパターンが見えてきた。
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