愛されオーラに包まれて
一次会が終わり、2次会がカラオケ。
遥香の嫌いな、カラオケ。

局長が帰るのに乗っかり、遥香も帰ろうとするのを、蒲田が止める。

『高松さん、今日は僕たちの歓迎会なのに、帰っちゃうんですか?今日は金曜日ですし、もっと楽しみましょうよ』

と、遥香の腕を引っ張る。

『ちょっと、離してよ、蒲田くん。2次会は義理も付き合いもないの。だから私は帰る!』
『僕に付き合ってくださいよ~』

すると、周りの社員が蒲田の腕と体を引っ張り、何とか遥香の腕が離れた。

俺が前に出られないのが辛い。
社内恋愛って、辛いよな。

『高松、一緒に帰るか』

そう遥香に言ってきたのは局長。

『はい!』

2人は駅の方面へと消えた。
今は、局長にお願いするしかない。

俺は遥香に"2次会までは行ってきな"と言われていた。

"男の酒の付き合いは大事だよ。"と。

程なく、遥香からメールが来た。
背後から、先程の清水が来た。

『あ、誰かからメールが来たんですかぁ?』

俺はその言葉には無視を決め込んで、場所を移動した。

―"2次会、行ってらっしゃい。でも早く帰ってきてもらえると、嬉しいな"―

俺も早く帰りたい。

―"途中で抜ける。俺の家で待ってて"―

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