愛されオーラに包まれて
家に入ってから、私は何もせず、ソファーに座って考えていた。

桐生さんは、私のことをどう思って抱いたのだろう。
そして、私は"悔しかったから"と言う桐生さんに、どう接するのが正しかったのだろう。

さらに、朧気ながらもはっきり覚えているのは…私の中にいた桐生さんの男の"感覚"と"温もり"

今まで…いや、そんなに経験しているわけではないけど、あんな感覚、初めてだった。

そもそも私は"イッた"ことがなかった。

早く終わって欲しくて"イッた"振りをしていた。
それなのに桐生さんはそんな私をいとも簡単に頭が真っ白にさせたんだ。

酔っていた私。

でもそうなるなんて…淫乱なんだろうか。

だから、そんな女に思われたくなくて、桐生さんには本当のことが言えなかった。

"もっと、キスして欲しい"
"もっと、あなたを感じたい"

桐生さんが好きなのかは、わからない。

でもそれが、私の本音だった。
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