愛されオーラに包まれて
でも、待てよ。
俺、何でこんなに腹を立てるんだ?

だって、普通に高松の恋心を応援してあげればいいんじゃねーの?

でも、俺の心が痛むんだ。
ズキズキと。

俺は鈍感じゃない。
その理由は考えなくても明らかだ。

間違いなく、俺は高松が好きだ。

猫のような二重のやや切れ長の目。
笑うと口角が上がる愛くるしい笑顔。

そして、フランクな雰囲気。
決して、彼女はおしとやかな女性とは言えない。

でも、高校生のような元気いっぱいの彼女のはつらつとした姿に、なぜか惹かれた。

俺が今まで付き合ってきた女性は、考えてみれば外見重視。

"可愛い"より"美人"と言われるタイプが多かったように思う。

外見の理想ばかり追いかけ、ターゲットにした女性の心を掴むのに、必死になる。
しかし、いざ心を手に入れたら、途端に冷めていく自分がいた。

彼女と別れる度に友人達から言われるのは、

"釣った魚に餌をやらないから長続きしないんだ"

じゃぁ、お前達はちゃんと餌をやっているのかよ。
俺のことが好きならば、何もしなくたってついていくのが男女の付き合いってもんだろうが。

今までの俺の恋愛感が、大きな間違いであったことを、高松の存在が教えてくれた。
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