愛されオーラに包まれて
そう言うと、泰河は立ち上がって首につけているネックレスをおもむろに外した。

そこには、2つのリングがついていた。

ひとつは、去年のクリスマスに貰ったホワイトゴールドのペアリング。

もうひとつ・・・は?

チェーンからひとつ指輪を外すと、残ったチェーンとペアリングを傍のテーブルに置いた。

『遥香のこれからの未来、俺にくれよ』

私の左手を広げて手に取る泰河。

『高松遥香さん、俺と結婚してください』

驚いて、言葉もない私。

これが・・・プロポーズってやつ?

いつの間にか、左手の薬指には指輪がはめられていた。

ハート型をしたダイヤのリング。

「私、私でいいの?」
『遥香しか考えられないよ』

私は言葉よりも体の表現が先行し、泰河に抱きついた。

「私も、泰河の未来が欲しい。泰河の変化を近くで見ていたい。見届けたい。何でもしたい」
『あぁ、楽しく過ごそう。寂しい思いはさせないから』

私は抱きついていた体を一旦離した。

ひと息ついてから、私は伝えた。

「桐生泰河さん。私をお嫁さんにしてください」

自分のセリフで自分に酔ってしまい、あまりに嬉しすぎて涙が溢れる私。

『泣きなよ。いっぱい』

泰河はそう言って自分の親指で私の涙を拭う。
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