愛されオーラに包まれて




高松には最中もキスはしなかった。

情が移ると思ったから。

それにしても、何だ、これは。
今までにない感覚。

そして高松の今まで見たことのない"女"の顔。

普段とのギャップを感じたら…喰って終わりなんて無理だと思った。

最中も、終わった後も、翌日になって正気になって怒る高松を見ても、やっぱり終わりにするのがすごぶる嫌だった。

むしろ、ますますドツボにハマる俺。

さらには、昨夜の出来事を覚えていないというのが悔しくて、アイツにキスをしてしまった。

バカだなぁ、俺。
ますます情が移るのに。

"後悔先に立たず"

まさに今の俺には、この言葉が当てはまる。

でも、高松とは、また月曜日には会わないとならない。

どんな顔して会えばいいんだよ。

俺は自分の家のソファーに座り、髪をぐちゃぐちゃにして悩んだ。
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