愛されオーラに包まれて
マネージャーの出番が増える？
どういうことだろう。

真子さんが教えてくれた。

『マネージャーの仕事はね、私達秘書が休んだ時のピンチヒッターなのよ。ミセスだと、何かと家庭の事情で休む場合が多くなるからマネージャーが忙しくなるって、そういう意味でしょ？何だか私には嫌みに聞こえるけどね』

と、小声で話していると、

『高松、各々の部屋へ挨拶に行くぞ』

と、後ろから声がした。

「はい。きょく・・・いえ、副社長。おはようございます」

しばらくはスムーズには"副社長"というフレーズがスムーズに出てきそうもない。

でも慣れなくちゃ。

まずは、社長の部屋。
近くで見るのは入社の最終試験の時以来、か？

副社長がノックをする。

"どうぞ"

ドアを開けて、副社長の後について行く私。
そこには、副社長の父にして副社長とは全く似ていない社長が穏やかに迎えてくれた。

「おはようございます。この度、副社長の秘書に着任いたしました、高松遥香と申します。よろしくお願いいたします」

フカフカのカーペットの歩き心地に違和感を感じつつも、私は頭を下げる。
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