愛されオーラに包まれて
当日。

ゴールドヘブンリーで送別会やるなんて、玲奈さんもさすがだな。
いや、人数が多すぎて普通のお店じゃ無理なのか。

私は副社長と一緒にタクシーで向かった。

営業局にいれば、余裕で電車で向かうところなんだろうけど、ここが営業と秘書の違いか。

道が混んでいたため、通常より時間がかかり、開始ギリギリの到着になってしまった。

『急ぐぞ』
「はい」

私達が会場に着いた時には、既にメンバーはほぼ揃っていた。
もちろん、その中には泰河もいるし、泰河や玲奈さんの同期たち10人も着席している。

中には、副社長が今日来ることを知らなかった人もいたみたいで
"え?副社長?"と驚く声も聞こえてきた。
けど、副社長はあまり気にしてないみたい。

『副社長、こちらです』

と、上座・・・渡部局長の向かいに座るように石井くんが促し、副社長も着席する。

『高松さんは、こちらですよ』

と、清水さんに言われたのは、玲奈さんの隣で、泰河の向かい。

「私、玲奈さんの隣でいいの?」
『私の力で遥香さんには特等席をご用意させていただきました』

と、おどける清水さん。
なかなかやるようになったな、この子。

すると、石井くんがマイクを持って送別会を開始する旨が伝えられた。
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