愛されオーラに包まれて
あとは、泰河の高校のテニス部の同級生や大学の仲間。
私の大学時代の同級生たちと歓談した後、やってきたのは、みなみちゃんと泰河の妹の明日美ちゃん。

『お前ら、2人かよ』
『だって、今日の列席者でここに道連れに出来そうなのはアスくらいしかいないんだもん』

さすがに、ここに鳥越さんは連れて来られない。
龍成社関係者が多数来場しているこの場所は、秘密の関係であるみなみちゃんたちには到底ツーショットで来ることは無理だ。

『遥香ちゃん、キレイだよ』

明日美ちゃんは、いつもと違い、ドレスアップしている。
みなみちゃんは、先日の撮影時に買い取ったものらしい。

『遥香ちゃん、改めて、うちの兄をよろしくお願いします』
『何だよ、それってまるで俺がしっかりしてないみたいに聞こえるぞ』
『その通りよ。遥香ちゃんの言うこと聞いていれば、間違いないよね、アス』

"アハハハ"と笑った私達3人。
仏頂面な泰河。

「ちょっと、そんな顔しないの。いいじゃない。泰河は可愛い妻や妹やその親友に愛されている証拠なんだから」

みなみちゃんは有名人。
私達の元を去ると、いろんな人から握手を求められていた。
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