愛されオーラに包まれて
宴はクライマックス。
私がお父さんに手紙を読む。

日頃の感謝。

私を大学まで出してくれた感謝。

快く嫁に出してくれた感謝。

良くも悪くも、放置されていた。
きょうだいもいないし、寂しい生活だった。

けれども、最後は泰河に出会えた運命の御膳立てをしてくれたことに感謝。

お父さんへの手紙は、そんな内容を記したものを読み上げた。

そして、両親へのプレゼント。

泰河のお父さんの挨拶。

そして最後に、泰河本人の挨拶。

『本日は、僕たちの海に近いところでやりたいというわがままのために、御足労いただき、本当にありがとうございます』

泰河と私は一礼した。

『本日、7月5日は、ここにいる遥香の亡くなったお母さんの誕生日です。この日は、毎年、お父さんと遥香で、お母さんの仏前にケーキを置いてお祝いをしていたのだそうです。ここ数年は社会人であることもあり、その機会を2年逃してきて、今年は、僕も加わってお母さんの好きだった海の近くで盛大にお祝いしてあげたかったのが、この日、この場所を選んだ理由です』

泰河が私を見たので、私も目を合わせた。けど一瞬だった。
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