愛されオーラに包まれて
『僕は、5人きょうだいで、賑やかな家で育ちました。そこには家族愛に満ち溢れ、今考えても幸せな家です。それでも、僕は欲張りです。もっともっと、家族が欲しい。そんな僕に、神様が出会わせたのが遥香でした。しかし、結婚して家族を養って行くだけの甲斐性が今の僕にあるかと言えば、ようやく20代の折り返しを迎えた年齢では、まだ経験値が足りないかも知れません』

泰河はうつむき、再び前を見た。

『それでも、僕は遥香と家族になりたい気持ちの方が強くて、未熟でも、同じスタートラインに立って、同じ方向を見て、一緒に成長したいと思いました。これから、お互い刺激し合いながら、また、皆様の指導を仰ぐこともたくさんあるかと思います。今日は日頃の感謝の気持ちをいっぱい込めて僕達の披露宴に皆様を招待いたしました。楽しんでいただけましたでしょうか』

"楽しかったよ~"という声があちこちに聞こえた。

その反応に、泰河は微笑んだ。

『ありがとうございます。これからも、僕と遥香をどうぞよろしくお願いいたします』

再び、私達は一礼した。

そして送賓をして、宴はお開き。

二次会は都内に移動して行われ、夜、私たちは空港近くのホテルにいた。

明日から私達はフランスに新婚旅行に出発する。
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