愛されオーラに包まれて
『仕事以外のことも、金澤さんに聞くといい。営業やっている女性、局内全体でも金澤さんを除くと入社10年目オーバーになってくるからさ』

"では、終了。席に戻ろう"と部長以下、席に行く。

『高松さん…遥香ちゃんでいい？』
「はい、大丈夫です」

金澤さん、そんな笑顔をされると断れないです。

『私も"玲奈"で構わないから』
「はい、玲奈さん」

私がそう呼ぶと、金澤さん…玲奈さんは"そうそう"と言って笑顔で私を見ると。席に座り、すぐに電話をかけ始めた。

私の席は玲奈さんの向かい。
つい今まで笑顔だった玲奈さんは、既に仕事モードに切り替わっていた。

玲奈さんはその電話が終わると、遠くから

"金澤さん、1番に大木出版販売の佐々木さんからお電話です"と、息つく暇がない。

さらにその電話の最中には、背後に人が。

『何だぁ、金澤さん電話中か。すぐ終わるかなぁ』

TシャツにGパンだけど、ここの社員証を下げていたので、編集の人かな？

何か、私にも出来るかな。

「あの、何かお預かりしましょうか？」

すると、その人は鼻で笑った。
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