愛されオーラに包まれて
◎緊張の一夜~side HARUKA~
桐生さんとホテル。
しかも過去の彼氏と行ったラブホテルとは訳が違う。

ゴールドヘブンリーホテルのエグゼクティブだよ。

どうしてそんなにリッチな人なんだろ?

ホテルの角に当たる客室に着くと、何と豪華なんだろう。
私、こんな部屋に泊まったことがありません。

ソファーとローテーブル。手前にはトイレと洗面台のある部屋。

あれ、でもこれじゃ、ただの応接室だよね…

ん?奥に扉がある。

入ると、さらに部屋があった。

大きすぎるダブルベッド。
大きなお風呂とシャワールーム。

私は思わず

「うわぁ、すごいよ」

と感嘆の声をあげてしまった。

『本当に凄いよな。俺もこんな部屋初めて』
「え?」

桐生さん、泊まり慣れてるんじゃないの?
お金持ちで女性にも苦労してなさそうだし。

『やっぱりラブホテルとは随分違うな』

言ってることが私が思っていることと同じ?

ますます桐生さんの価値観が分からない。

「桐生さん、大丈夫ですか?」
『何が?』
「だってここ、高いですよね」
『お前が心配することじゃないよ』

でも、ふたりで話せる空間が欲しいと願ったのは、私。
桐生さんはあくまで私の願いを聞いてくれただけ。
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