愛されオーラに包まれて
『なぁ、高松。こっちに来ないか?夜景が綺麗だぞ』

と、窓の前にあるテーブルに座った桐生さん。

「はい!」

私は桐生さんの提案に従った。
窓の外は、東京の眠らない夜を象徴する明るい光が沢山広がっていた。

「綺麗ですね」

ふと、そう言って桐生さんを見ると、優しく私を見つめていたので目が合ってしまった。
夜景と相まって、桐生さんの顔が、すごく色っぽく感じ、思わず目を逸らしてしまった。

『先週のアレは・・・お前は俺が好きなわけじゃないと分かっていながら、俺が望んでお前を抱いたんだ。俺に心のないお前を抱くなんて、俺こそ最低だよ。だから、俺からも言わせて。お前の先輩として、これからも気安く付き合って欲しい』

私は、桐生さんを見た。
桐生さんも、私を見つめた。

すると、桐生さんは私を見ながらため息をついた。

『違うな』
「え?」

『もう、無理だ。お前のこと、"女"から"ただの後輩"には、戻せない』

桐生さんは座っていたテーブルから立ち上がった。

すると、ベッドの脇にあった室内の照明スイッチを全て消して、窓脇にいる私の真横に立った。

桐生さん、身長は180センチより少し低いくらいかな。

私が165センチ。

少し私が見上げれば、目を合わせられる。
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