愛されオーラに包まれて
その後は、一緒に風呂に入った。

『ありがとう』
「どうした?」

湯船に浸かり、俺は遥香を背中から抱きかかえている。

ある意味、ベッドでひとつになっている時より、密着している状態。

『私に、大人の恋愛を教えてくれて』
「おいおい、もう終わりみたいな言い方しないでくれよ」

俺は、遥香の腰に回している腕の力を強めた。

「その、初体験の大人恋愛は、これを最後にしてくれ」
『え?』
「俺は、お前に次の恋愛をさせるつもりはない。俺にとっても、遥香は最後の恋だから」

遥香は俺の左肩に後頭部を当てて、俺を見た。

そして微笑んで、

『私、玲奈さんにウソつかれたかも』

金澤?
何故ここで金澤なんだよ。

『泰河は"見栄っ張りでカッコつけ"なんだって』
「金澤がそんなこと言ってたの?」
『うん。だから、今日もこうなるなんて思ってなかったよ』

遥香は体を反転させて、俺と向かい合わせになった。

「金澤の言ってることは、あながち間違えてはいないよ。でも、遥香に対する言動がもし金澤の分析とは全然違う凄く甘いものであれば、それは遥香限定だから」

遥香との顔の距離が凄く近くて、我慢できなくてキスをした。

「さ、出るか。のぼせるぞ」
『うん・・・』
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