愛されオーラに包まれて
お昼。

営業局の同期で社員食堂でのランチ。

販売一部の大熊くん。
販売ニ部の石井くん。
販売三部の磯部くん。

全員、男性。
営業局って、超がつく男性畑。

『高松はどう?六部は。担当は?』

大熊くんが聞く。

「料理書と写真集だって」
『ところでさ、高松の向かいに座ってる人、チョー可愛くない?』
「あ、玲奈さん?」

石井くんが興奮気味に話すから、逆に淡々と反応する私。

『入社2年目なんでしょ?研修にいたんだよね?俺知らなかった。さっき聞いた。金澤さん?』

玲奈さんは、どこに行ってもモテるけど、いわゆる飲み会関係や営業の接待、同期との飲みに至るまで、全く参加しないらしい。

「お酒飲めないんじゃないの?」
『いや、そうじゃなくて、どうやらお母さんの具合が悪いらしくて自宅介護をしていて、あまり遅い時間の残業ができないらしいんだよね。でも、あの美貌』

残業せず、飲み会参加せずでも、あの信頼性かぁ。

『しかも金澤さん、出身が東都大』
「え?見えな~い」
『この会社で東都大出身は金澤さんと局長だけ』

磯部くん、さすが情報通。
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