愛されオーラに包まれて
『遥香ちゃん、大丈夫?』
「大丈夫です。服もそんなに濡れてないですし」
『そうじゃなくて、遥香ちゃんの心だよ』

玲奈さんは朱里がいた席に座って私を心配してくれている。

「大丈夫です。私、大嫌いと言われたの、これが初めてじゃないですし、特に今回は私が悪い部分もありますし」
『でもさ、いくら理由があっても、水をかけていいってことにはならないよね』

返却口から戻って玲奈さんの隣の席に座りながら、根本さんは言った。

『越後さんは短気なうえ、相当直情型だから、高松さんに何をしてくるかわからないよ』

玲奈さんも頷く。

『場合によっては、桐生くんも無事にはいかないかも』

え?

「私達の話、聞こえていたんですか?」
『私達はダンボの地獄耳を持っているから、ね?恵美加』

玲奈さんは根本さんに同意を求める。

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