*あかずきんちゃん*
……どうしよう。
やっぱり狼狽えるぼくに、赤ずきんちゃんは袖をグイグイ引っ張って、ぼくの耳元に囁きかける。
「家なら……誰もいない」
とても甘い誘惑をしかけてくる赤ずきんちゃん。
え? それって?
それってそれってそれって?
つまり!!
「っつ!! 赤ずきんちゃんっ!!」
ガバッ!!
「うわあっ!!」
ぼくは嬉しくて赤ずきんちゃんを抱きかかえた。
そいでもって、そのまま赤ずきんちゃんの家目指して走る。
クマさんに似た人間ふたりなんて、もう知らない。
ぼくの頭の中は、すっかり赤ずきんちゃんと両想いになったっていうことばっかりになっていたんだ。
――え、えと……。
「本当に、キスしていい、の?」
ごっくん。
口の中に溜まる唾を飲み込んで、ベッドの上にいる赤ずきんちゃんを見下ろすぼく。
現状が信じられなくて、胸がドキドキしてる。
「くどい!!」
そう言いながら、ぷいっとそっぽを向く赤ずきんちゃん。
顔はずきんと同じ真っ赤な色だ。
かわいい、かわいい、かわいい、かわいいっ!!
赤ずきんちゃんがかわいすぎて、どうにかなりそうだ。