*あかずきんちゃん*
♪♪やっぱり弱虫オオカミくん。
――翌朝。
「お前、オオカミ族のクセにほんっと弱いのな!!」
「弱虫が!!」
「うわああんっ、やめてよっ、うええっ!!」
人さらいを退治したのはぼくなのに、誰も信じてくれなくて、だから結局、弱虫オオカミなこのぼくです。
またみんなにいじめられ、叩かれてますっ!!
「痛い、やめてよっ、うええええっ」
「泣き虫オオカミが!!」
「ごるあああああっ!! てめぇら、また狼をいじめやがって!!」
「うわっ。凶暴赤ずきんだ!! にげろっ!!」
去っていくぼくをいじめるみんなの代わりにやって来るのは赤ずきんちゃん。
ぼくの大切な恋人だ。
「あ~、またやられて……。アンタ、わたしの傍から離れんの禁止ね」
そう言って、抱きしめてくれる赤ずきんちゃん。
前と同じ立場のように見える光景。
だけど、二人きりになったらそれも変化する……。
「あ~、幸せ……」
赤ずきんちゃんの腕の中にぼくがいます。
耳を触られて、頭を撫でられて、尻尾を握られてます。