*あかずきんちゃん*
奴らはいったい何をする気なんだろうか?
ぼくは、ガクガク震える体を地面に這わせて必死に近づく。
「はなせっ、いやっ!!」
ふいに今までとは違う赤ずきんちゃんの悲鳴がぼくの耳に届いた。
その声で顔を上げれば、赤ずきんちゃんの唇を奪おうとしている姿が見えた。
「!!」
赤ずきんちゃん!?
ぼくは震えてたまらなかった腰を地面から上げた。
クマさんに似た大きな図体をしたふたりに突進していく。
赤ずきんちゃんの足を持っていた人間を押しのけ、もうひとりの人間からも赤ずきんちゃんを遠ざけた。
ぼくは赤ずきんちゃんを抱きしめる。
彼女の……体が震えている。
いつも強気だった彼女はどこにもない。
こんな赤ずきんちゃんを見るのははじめてで、ここまで怖がらせたあいつらに、ものすごくイラッてする。
「うわっ、なんだお前は!!」
「てめぇ、ガキのクセに俺らに歯向かおうってのかよ!!」
銃を手にした人間が銃口をぼくに向ける。
正直、怖い。
すごく怖い。
でも、でもでも!!
赤ずきんちゃんは誰にも渡さない!!