*あかずきんちゃん*

奴らはいったい何をする気なんだろうか?


ぼくは、ガクガク震える体を地面に這わせて必死に近づく。


「はなせっ、いやっ!!」

ふいに今までとは違う赤ずきんちゃんの悲鳴がぼくの耳に届いた。



その声で顔を上げれば、赤ずきんちゃんの唇を奪おうとしている姿が見えた。

「!!」

赤ずきんちゃん!?


ぼくは震えてたまらなかった腰を地面から上げた。


クマさんに似た大きな図体をしたふたりに突進していく。


赤ずきんちゃんの足を持っていた人間を押しのけ、もうひとりの人間からも赤ずきんちゃんを遠ざけた。


ぼくは赤ずきんちゃんを抱きしめる。




彼女の……体が震えている。

いつも強気だった彼女はどこにもない。



こんな赤ずきんちゃんを見るのははじめてで、ここまで怖がらせたあいつらに、ものすごくイラッてする。




「うわっ、なんだお前は!!」

「てめぇ、ガキのクセに俺らに歯向かおうってのかよ!!」


銃を手にした人間が銃口をぼくに向ける。


正直、怖い。



すごく怖い。

でも、でもでも!!


赤ずきんちゃんは誰にも渡さない!!


< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop