ワールドロープ
赤い太鼓橋の中心
欄干に寄りかかる女の子がいた。

僕は話し掛けてみようと
彼女に近付いてみる。

待って。それ以上来てはいけない。



刹那、身体が何かに潰されているような
異様な重さを感じた。

うっ…

だめだ。声が出ない。
でも、それでも僕は
彼女から目を離さなかった。

目を離さなかったつもりだった。
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