にかいめno初恋
第一章 再会

入学式


――入学式の朝

期待と不安。卒業式の言葉が、心の中でぐるぐる回っていた。

まだ着慣れていない硬い制服を着ながら、思う。

“これからは、がんばらなきゃ”

中学こそ、ステキな恋をしよう。

小学生の頃の私の恋は、失恋ばかりで。いいことなんて、ほとんどなかった。

だから、次こそステキな恋を自分で実らせるんだ。

良い出会いがあればいいけど。


ふと、時計を見ると。

「7時50分!?あと、20分で出席じゃん!」

さっさと準備して、家を出る。

現在時刻7時58分。出席確認8時10分。

はい、絶対間に合いません。徒歩だし。

もうちょい家が遠かったら、チャリ通なんだけど。

全力で通学路を走る。

かほ
「夏帆ー!おーい!」

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