BRAT ANGEL
「今、ANOTER BEATが所属しているジョニー事務所がオーディションに応募する人募集してるんだって。青葉くんや海藤くんもしてみたら?」と言う。
すると沢井が何か思いついたように手を叩くと急に沢井のスマホで俺たちの写真を撮りだす。

「おい、お前応募する気じゃねぇだろうな」
と葉月が言うと沢井がニコッと笑って
「いいじゃないの。減るもんじゃないし」
と返す。
そして俺たちに向かって
「あんたたち顔だけはいい方なんだから応募してみれば?」
と言い放つ。

顔だけはいい…。
ん?それって、俺がイケメンっていうことなのか?
つい気分が良くなって
「やってみよーぜ!葉月」と葉月の肩に手をかける。
葉月はあきれた顔をして
「この単純ドアホめぇー」と俺を睨む。

けど今の俺にはそんな睨み通用しない。

沢井がニコッと笑って
「じゃあ決まりね。あたしが応募したげるから、あんたたちは待ってて」
と言ってくれた。

正直、俺はその、ア、ANOTHER BEATってゆーグループも興味がないし、オーディションにも興味がなかった。
でもさぁ、考えてもみろよ。女子になかなが顔がいい゙なんて言われないぜ?

今まで顔なんてあんま気にしてなかったけど…
トイレの鏡を見てみると、なんか俺ってカッコいいんじゃね?なんて思うようになっていた。

あー。俺ってほんと単純だなぁ~…。
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