すきなひと。



机の上に置いていた携帯がチカチカ光る。
ディスプレーには[メール1件]の文字。
そのメールを見ると送り主は斜め前の汰希だった。

チラッと顔を見ると、頷かれて。
しぶしぶメールを開く。


─────────
*04/09 09:15
*加藤汰希
件*Re:
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
隣町ってお前んとこ
ぽくね?!
─────────


突拍子にそんなこと言う汰希に内心ビックリしながらあたしはメールを返す。


─────────
*04/09 09:17
*こあ
件*Re:
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
そーかもね(笑)

─────────




それから汰希はしばらく腕を組みながら先生の顔を見ていた。
そしてまたメールが届く。



─────────
*04/09 09:23
*加藤汰希
件*Re:
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
てか、あいつって昨
日のやつだよなぁ?

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汰希の問いにあたしは返事することができなくて。
どう返そうか悩んでたら、先生が近付いてきて、あたしは咄嗟にポケットに携帯をしまう。
けど、そんな心配はいらなかった。

だって、汰希の前で止まったから。


「な・・・なんスか」

「さっきから俺の顔ずっと見てっけど、もしかして・・・」


汰希は息を飲む。


「俺のこと好きって??」

「・・・は?」


まさかの返しを、予想してなかった汰希は間抜けな声を出す。
クラス中のみんなは、ドカンと大爆笑。
真面目な顔して、出てきた言葉がそれだったから、あたしも思わず吹き出す。
けど、笑わないように必死に耐えていた。
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