すきなひと。
その子はにっこり笑って、あたしの手をギュッと握り、ブンブン振った。
「水沢 愛!どーぞよろしくぅ」
「ん、よろしくね」
あたしもにっこり笑って。
そのあと水沢は、ん〜…と腕をくみ考え出す。
そして、何かを思いついたのか、あたしの顔をにこにこしながら見つめる。
「あいね、ココちゃんって呼ぶねッ」
「そんな!呼び捨てでいーよ??」
そう言うと、ブンブンと頭を振る。
「そんなのだめだよぉう〜」
あたしは思わず言葉に詰まった。
「そ・・・っか。じゃあ、それでいーよ」
「よかったぁ」
ホッと胸を撫で下ろすような動作をして。
あたしは苦笑するしかなかった。
チラッとリカを見てみると、絶句した顔をしてて。
それにあたしは笑いそうになった。
水沢は、あたしの後ろにいたリカを覗くように見て、にっこり笑う。
そしてあたしと同じように自己紹介をした。
キーンコーンカーンコーン
キリがいいときにチャイムが鳴り、みんなは席に戻っていった。