すきなひと。



理科室についたら、先生に「遅いぞー」と言われただけで、怒られもしなかった。
あたしと章汰は空いてる席に座る。
その席にはつっちーと、悪ノリすると面倒くさくなると言われてる、サッカー部の堂本大輔がいた。


「おい、吉純ってダンスやってたんだって?!」


「うん。そやで??つっちーから聞いたん?」


そう言いながらつっちーを見る。


「さっきそんな話になったから、よしのことチラッと言ったー」


「え?!俺そんなん知らねーんだけど」


章汰が驚いたように言うと、大輔が何か思いついたように、パンっと手を叩いた。


「今度、筒井と吉純で踊って!!」


「「はぁ?!」」


「俺も見てぇ!」


「つーことで、この後で!!」

「いやいやいや、ちょお待って!つっちーは今でもダンスしてるんやろーけど、あたしほんまに最近してへんからっ」


「あ〜・・・じゃあ1週間後の明日な!」


「てことは、土曜日ってこと?」


「そ。章汰もその日でいーだろ?」


「おー。俺その日、丁度部活休み」


「よっしゃ、決まり!」


あたしとつっちーは顔を見合わせる。
お互い苦笑するしかなかった。
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