すきなひと。
撫でられたとこが何か熱くて、恥ずかしくなった。
自分の中にある気持ちにも、何となく気付いたきがして、あたしはうつむく。
「よし、最後にプリントな!!」
先生はプリントを出してあたしとヒロに渡した。
あたしは大人しくシャーペンを握って問題をスラスラ解いていく。
でも、解んない問題にぶち当たってプリントとにらめっこ。
敗者 吉純 心愛
大きなため息をしたら、何かで頭を軽く叩かれた。
「いたっ・・・」
痛くもないのに頭を擦りながら顔を上げる。
もちろんそんなことをしたのは先生で。
「どこがわかんないの?」
「ここ」
「あ〜そこね・・・これをこうして・・」
「あ!そんでこれがこーなって、こーなって・・・こう!」
「正解」
「やった♪」
色々説明聞いて、理解をする。
あんなにわからなかった問題がすんなりとけて、テンションが上がった。
しばらく問題を進めていくうち、6人くらい女子が教室に入ってきて。
急に教室が騒がしくなった。
「ちょっと悠平〜」
「何でそんな子達ばっかり相手すんの?!」
「完全贔屓じゃんね〜」
「ねー」
「ほぉら、悠平あたしたちの相手してよーぅ」
次々話しかける女子。
知らない子ばっかりだと思ってたら、最後の声に聞き覚えがあって、顔をあげる。
「あ〜!!ココちゃんだぁ〜」
そうやって名前を呼ぶのは一人だけ。
水沢愛だった。
水沢はあたしに手を振ってくる。
あたしは苦笑しながら手を振るしかなくて、それを見かねてか先生が立ち上がる。
「ちょ、お前らさぁ・・・」
先生が何を言っても聞かない。
しょうがなく、先生が少し相手をすると、気がすんだのか水沢たちは教室から出ていった。
「ったく・・・」
安心したように息を吐き、椅子に座ってあたしとヒロのプリントを交互に確認した。