すきなひと。


「おっ!悠ちゃん優し〜(笑)」


「悠ちゃんやさし〜」


辻本先生が言った言葉をあたしも真似ると、ペシッと軽く頭を叩かれる。
それを見ていた辻本先生は


「うわっひどーい悠ちゃん!!」


と気持ち悪い声で言った。
あたしもそれに対して顔をしかめると、後ろから辻本先生に蹴られる。
それを見て、高岡先生は笑った。


「ははは!!あ、高橋は机な」


「はぁ〜?!何でよー」


「お前、力ありそうやからやろ?笑」


「ひっどー!!」



そんな会話をしながらも結局は、あたしとヒロはパイプ椅子を運ぶことになって。
机の数より多かったけど、何回も行き来して机より早く運び終わった。




「先生〜。運び終わったから机手伝うわー」


「危ないからいい。」


「なんでよ〜4人のが早く終わるやんか?」


「まぁ・・な」


そんな反応を見せた高岡先生に言い聞かすようにヒロが口を開く。


「じゃあこうしよ!!悠平とこあ、悟くんとあたしで運べばいーじゃん!」


「こら。悟君じゃなくて辻本先生やろ?」


「あ・・・(笑)まぁ堅いこと言わずに・・・・」



ヒロの提案を受け入れ、机を4人で運ぶ。
最後の一つになると、辻本先生とヒロは、進路指導室に行っちゃって。
残されたあたし達が最後の机を運ぶことになった。
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