すきなひと。


数学担当がいるため、教えて貰う。
佳奈ちゃんは、あたしと一緒に問題を解いていた。
一問難しいのがあって、それを必死になって直樹くんと俊くんが解いてて。

その間、あたしと佳奈ちゃんは喋る。
やっぱり女の子同士と言ったら、恋話。


「心愛は、好きな人いないの?」


そう聞かれて、パッと悠平の顔が浮かぶ。


「おるよ。年上やけどね」


「そうなの?!どんな感じの人?!」


「ん〜・・・この学校でいう、高岡先生みたいな感じかなぁ?」


好きな人はもちろん悠平だけど、それを言ったらおしまい。
だから、例えて言う。


「じゃあ、モテモテだね。あ・・高岡先輩ってバスケ部の部長やってたって知ってた?」


「え?!そうなの!?」


「しかも、大学があたしも一緒だったんだけどね」


「佳奈ちゃんと?」


「そうそう。因みに高校んときは、バスケ部マネージャー」


「マネージャーかぁ!!」


「そ。あと、大学でもさ高岡先輩の彼女さんとも仲良くて、ご飯も3人で行ったりとかしたなぁ」


「へぇ・・・」


『彼女』という単語を聞いて、顔が引き攣りそうになりながらも話を聞く。
佳奈ちゃんは、楽しそうに話してたけど、何故か切なさを感じた。


女のカンは当たるもの。



すぐにわかった。

佳奈ちゃんは悠平のことが好きなんだって。


「あ。問題解けたみたいだよ」


「あ・・ほんとだ!お疲れさ〜ん」


「「お前がやれよ!!笑」」


「・・・(笑)」


二人に言われあたしはとりあえず笑っておいた。
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