すきなひと。


「こあ〜帰るよー?」


部活を終えたリカがドアから顔を覗かせる。


「はーい」


あたしは荷物をカバンに入れて、教室を出ようとすると、俊くんに呼び止められた。


「もう暗いから、危ないし駅まで一緒に行こうか?」


「いーよいーよ!!大丈夫!頑張って!」


「・・・ん、わかった。気を付けてね」


「こあちゃんバイバイ」


「ばいばーい」


手を振り、職員室を後にする。



「ね、うちメールしたけど気付いた?」


「うっそ?!ごめん!!携帯、カバンの中やってん!」


あたしは、カバンの中から携帯を取り出して、ディスプレイを見る。


着信2件、藤塚リカ
メール6件

メールの受信フォルダを開いてみる。

――――――
高橋ヒロ
藤塚リカ
ママ
高岡悠平
藤塚リカ
藤塚リカ
――――――


「6件中、3件リカやん(笑)」


「こあがメール返さんからでしょーが!!!!!」


「ごめんね?」


「じゃあ、お詫びにお茶おごって?」


「しゃあないなぁ・・」


あたしはお金を渡して。
リカは自販機でお茶を買う。その横であたしは、一つ一つメールを読んで。
最後に、悠平のメールが残った。


「てやっ!」


「は?!」


変な掛け声を出しながらメールを開く。



――――――――
:06/04 19:28
:高岡 悠平
件:ばーか
----------------
(・з・)←心愛。
似てんね(笑)

――――――――


「なんだと?!」


「だから、さっきから何?!」


「ふふふ〜」


「きしょ!あ。そういえば、あれから高岡先生とはどうなの??」


お茶を飲みながら、リカはあたしに聞いた。
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